子供が生まれて幸せな家庭を築けると思っていたのに、「出産後、旦那にイライラしてばかり」「育児に無関心な旦那を見ると悲しくなる」と感じてはいませんか?
産後に夫婦仲が悪化してしまうのは、珍しいことではありません。
気持ちのすれ違いを放っておくと、最悪のケースだと離婚することも…。
そこで今回は、
- 産後クライシスで夫婦仲が最悪になる原因
- 最悪な夫婦仲から離婚をイメージした時に考えるべきこと
- 産後クライシスの乗り越え方
などを紹介します。
この記事を読むと、産後に悪化した夫婦仲を取り戻すきっかけをつかめるでしょう。
産後クライシスで夫婦仲が最悪になる原因
産後クライシスとは、出産をきっかけに仲の良い夫婦関係が急激に悪化する状態を言います。
産後クライシスを体験している夫婦は、どれくらいいるのでしょうか?
ベネッセ次世代育成研究所が288組の夫婦を調査したところ、以下の結果がわかりました。
出典:ベネッセ教育総合研究所HP
妻の夫に対する愛情の減り幅が大きく、出産前は10組に7組が「夫を愛している」と感じていたのに、産後は3組にまで減っています。
産後に仲良しでいられる夫婦が少ないことに驚きますよね。
なぜ産後に夫婦仲が悪くなるか?子供が生まれてからおこる産後クライシスの原因を解説します。
①夫が「育児は妻がするべきものだ」と考えている
現代では、女性でもキャリアアップをしている方が多くなり、「女性=家庭に入る」というイメージは少なくなりつつあります。
一方で男性と女性は、脳に機能の違いがあり「男性は仕事優先」、「女性は子育てを大切にする」ように出来ています。
そのため、夫婦でも「子育ては女性がするべきもの」と考えがち。
特に夫が、
- 父親が仕事優先で、育児に参加していなくて、母親ばかりが子育てをしていた。
- 母親が専業主婦。
- 仕事への野心が強い。
などの場合は、女性が育児をするべきものだと思い込んでいることが多いでしょう。
女性は夫と一緒に子育てをしたいと考えていることが多いため、夫が「女性が育児をするべきもの」と思い込んでいれば、気持ちのすれ違いが大きくなり、産後クライシスの原因になるでしょう。
②夫の仕事が忙しくて、育児に協力してくれない
子供が生まれる時は、男性が働き盛りのことが多く、仕事が理由で子育てできないケースもあるでしょう。
夫の仕事が忙しくて、
- 残業が多くて、深夜に帰宅する。
- 仕事の付き合い上、参加しなければいけない飲み会が多い。
- 休日は疲れがたまって、寝てばかり。
といった状況になると、妻は1人で育児をする時間が多くなり、不安や不満が強くなります。
夫の仕事が忙しい状態が長続きしたら、夫婦どちらも気持ちの余裕がなくなり、産後クライシスを起こすリスクが高くなるでしょう。
③夫が妻の話を聞かない
女性は育児をしながら、夫の帰宅を待っています。
夫の帰宅を待っているのは、「子供以外と話をしたい」というのが理由の1つ。
女性の脳は会話をすることで、ストレスを発散するように出来ており、男性よりも会話を大切にします。
もし、会話ができない状態が続けば、ストレスが貯まってイライラしてしまうのは避けられないでしょう。
夫が帰宅して、
- テレビやゲームばかりして、妻の話をよく聞かない。
- 疲れていると言って、すぐに寝てしまう。
- 自室にこもってしまう。
などのことがあれば、産後クライシスは必ず起きるでしょう。
④産後も夫の私生活は変わらない
子供は母親に対する愛着が強く、産後を迎えた女性は子供と離れられない生活になるのがほとんど。
一方で男性は、子供から愛着をそれほど持たれないため、「父親がいなくても、子供は平気」というケースも珍しくありません。
妻が授乳や夜泣きに対応している中、旦那はいつも通りに食事をして就寝している。
旦那が妻や子供のために、私生活を何一つ変えようとしないとなると、産後クライシスが起きる可能性が高くなるでしょう。
子供が生まれても、ジムで筋トレに行くのは変えずにいたからなぁ・・・。今は前よりも減らして、家で筋トレする回数を増やしたから、少しはマシになったかな?
筋トレが好きなのは知っているから、育児のためにゼロにする必要はないよー。ただ、子供の成長に応じて、変えなくちゃいけない時が来るかもしれないから、その時はよろしくね!
⑤夫が「イクメン」だと自慢する
旦那が育児に協力してくれるのは嬉しいこと。
しかし、家事や育児に協力「してやっている」という態度を出されて、自分はイクメンだと自慢するような言動があると産後クライシスの引き金になるでしょう。
イクメンとは、子育てに熱心な父親のことを言います。
妻が育児をして当たり前。しかし、旦那が子育てを手伝うと「イクメン」だと自慢したり、褒められたりする。
妻にとっては、子供は夫婦二人で育てるものと考えているため、旦那のイクメン自慢が多すぎると気持ちのすれ違いが大きくなるのは避けられないでしょう。
⑥妻が夫の育児を認めてくれない
旦那が育児をするごとに妻が「もっと上手にできないの?」「私が変わるから、もういいよ」といった否定的な言動をとると、産後クライシスの原因になります。
男性は、妻にとって頼れる存在でありたいと思っていて、プライドも高いです。
自分の子育て方法を否定されると、自信をなくして育児に協力するのを避けることもあるでしょう。
一方で妻は自分だけが育児をする状況にストレスを感じます。
「だったら、旦那さんを否定するのをやめたらいいじゃん」と思った方もいるでしょうが、子供の安全などを考えると旦那を注意しなければいけない状況が多々出てきます。
妻は旦那に子供のことをもっと考えた育児をしてほしい、旦那は妻に自分の育児を認めてほしい。
このような気持ちのすれ違いが、夫婦を産後クライシスにさせてしまうこともあるでしょう。
⑦育児が忙しくて、妻が女性らしさを失った
産後、妻が女性としての魅力が少なくなり、旦那の妻に対する恋愛感情が冷めてしまう。
その結果、産後クライシスが起きて、夫婦関係が悪化することもあります。
妻が綺麗で女性らしさがあるのは、男性にとって「こんな素敵な人と結婚できたのは、すごいことだな」という思いが生まれて、自尊感情を高めてくれます。
しかし、育児が忙しくなると、
- 外出時も化粧はしない。
- 自宅でもいつも同じ格好。
- 産後、体型が変わってしまい、好みのスタイルでなくなった。
- 優しくて夫を立てる妻だったのに、イライラばかりしている。
などが起きやすくなります。
育児をしている母親にとって、ある程度は仕方ないのですが、旦那にとって女性らしさを失っていく妻を見ていくうちに気持ちが冷めてしまうこともあるでしょう。
最悪な夫婦仲から離婚をイメージした時に考えるべきこと
夫婦が産後クライシスに陥った時、1度は考えるのが離婚問題。
厚生労働省が行った平成28年度全国ひとり親世帯の調査で以下の結果が得られました。
この結果から、子供がいる夫婦にとって、産後が一番離婚しやすい時期と言えるでしょう。
しかし、離婚をしたら夫と元の関係に戻るのは不可能になるため、慎重に考えなければいけません。
そこで、最悪な夫婦仲から離婚をイメージした時に考えるべきことを3つ解説します。
夫の収入なしでやっていけるか
離婚をイメージした時に、最初に考えるべきなのが「夫の収入なしに生活できるか」ということ。
国や地方自治体では、育児にかかるお金をサポートしてくれるサービスがあり、代表的なものが児童手当です。一人親世帯になれば、児童扶養手当も支給対象になります。
詳しくは、離婚・弁護士ナビのホームページで解説されているので、気になる方はチェックしましょう。
また、養育費については夫婦それぞれの収入や、子供の数や年齢によって変わります。
概算ですが、ベリーベスト法律事務所のホームページにて、あなたの状況に合わせた養育費の計算が可能です。
少し面倒に感じるかもしれませんが、離婚後にどれくらいのお金を国や夫から受け取ることができるのかを調べておきましょう。
また、実家で子育てが可能であれば、住居費や光熱費の節約にもなるため、生活基盤をどこにするかも考えた方が良いでしょう。
妻の仕事復帰が難しくなる
離婚後は子育てをしながら、仕事を探したり、職場復帰を目指したりしなければいけません。
夫婦で育児をしている人や子供がいない人と比較すると、時間が限られるため、仕事の復帰が難しくなることもあるでしょう。
保育所や幼稚園に預けられる時は大丈夫でも、子供の体調不良や感染症などで休園になれば、母親は仕事を休まなければいけません。
急に保育所や幼稚園から会社に連絡が入り、「お子さんが発熱しているので、迎えに来てください」と言われることもあります。
育児協力が依頼できる人、例えば自分の親や兄弟がいれば、あらかじめ子育てに協力してもらえそうか確認するのがおすすめです。
父親なしで育児する子供への影響
子供にとって、父親よりも母親の方が重要な存在です。しかし、父親も子供の成長には大切な役割を果たしていることを知っておいた方良いでしょう。
男性が父親の役割を果たすことで、
- 母親と子供の依存関係が起きにくくなり、子供が自立しやすくなる。
- 子供に安心感が生まれる。
- 子供は母親と父親の両方と関係を持つことで、コミュニケーション力を高めやすくなる。
- 自分が親になった時に理想の家族像をイメージできて、幸せな家族関係を作りやすい。
などがあります。
ただし、父親が「単身赴任で家にいない」「家にいても、父親が子供に興味を示さない」といった状態であれば、今まで紹介した効果はほとんど無くなるので、あなたの旦那が父親の役割を果たしているかも考えるようにしましょう。
産後に離婚をイメージした時、父親がいないことによる子供への影響を考えることで、離婚するかの判断をつけやすくなります。
産後クライシスの乗り越え方
必ずといっていいほど、産後に夫婦仲は変化します。
子供が0歳の時は、夫婦も母親と父親としては0年目。育児で悩んだり、衝突したりすることもあるでしょう。
中には産後クライシスになる夫婦もいるため、産後クライシスの乗り越え方について詳しく解説していきます。
妻の産後にくる心身の変化を夫婦で理解する
産後クライシスを乗り越えるのに欠かせないのが、女性の産後にくる心身の変化を理解すること。これは、妻や旦那のどちらか一方ではなく、夫婦で理解するのが重要なポイントになります。
産後にくる心身の変化を夫婦で理解すると、気持ちのすれ違いを少なくできるため、産後クライシスを避けるのに大変効果があります。
女性は産後を迎えると、ホルモンバランスが崩れて心に不調が起きやすく、
- イライラしやすく、不安になりやすい。情緒が不安定。
- 子育てが下手だと思って、自分を責めてしまう。
- 子供が可愛いと思えない。
- 社会と関わりが持てないため、孤独感を抱きやすい。
- 気力が沸かず、抑うつ傾向になる。
などの問題が起きやすいです。
また、出産後の子宮が元の状態に戻るまでには約1年かかると言われており、身体が完全に回復するまでにはかなりの時間がかかります。
その間は、疲れやすかったり、風邪を引きやすかったりといった身体のトラブルも抱えやすいでしょう。
産後の女性はイライラして当然だと夫婦で理解をしておけば、お互いの関係をネガティブに考えすぎないため、産後クライシスを乗り越えるのには有効な方法になるでしょう。
産後にくる気持ちの変化について知っているつもりだったけど、子供の寝かしつけの方法を「もっと効率的に」「子供のことを考えると・・・」と言って、haruを傷つけてしまったことあったね。
いつもなら、平気なんだけど産後2カ月くらいの時だったから、落ち込みやすかったのかもしれない。あの後、交換日記 を使って上手く仲直りできてよかったよね((笑)
夫が産後の妻の話を聞く
実家で育児をする女性以外は、旦那の仕事中は一人で子育てする方がほとんど。
1人で子育てをしている間は子供と話せても、気分転換できる話し相手がいません。
アメリカのメリーランド大学の研究によると、女性は1日に6000語以下しか話さないと脳にストレスを感じやすいことがわかっています。
旦那が妻の話を聞かないと、妻のストレスはたまる一方で、産後クライシスのリスクが高まっていくでしょう。
子供が寝着いたら、数十分からでも構いません。
夫婦で顔を向き合わせて、妻の話を聞く時間を作るようにするのがおすすめです。
産後の育児がつらいことを夫に伝える
産後クライシスの大きな原因の1つになっているのが、妻の育児負担が大きすぎることです。
「育児が大変なのは、旦那もわかっているはず」と感じる方もいるとは思いますが、男性の脳は人の感情を察する能力が低いため、妻が疲弊しているのに気付かないのは珍しいことではありません。
もし、あなたが子育てに心身共に疲れている場合は、旦那に素直に伝えましょう。
旦那に伝える時は、
- 「〇〇君が育児を手伝わないから、私は疲れる」という人格否定ではなく、「〇〇君が育児に参加してくれないと、私は悲しい」といった自分の感情を伝えるようにする。
- 具体的に育児の何を手伝ってほしいかを伝える。要求が多すぎると反発されるため、1~3個程度に絞るのがおすすめ(例えば、オムツ交換、子供の入浴、自分が家事をしている間は子供を見守っていてほしいなど)。
の2点を押さえておくと話を聞いてもらいやすくなります。
旦那に育児がつらいことを伝えて、育児に協力してくれる時間が多くなれば、気持ちのすれ違いが少なくなり、夫婦クライシスを乗り越えることも可能になります。
夫は「育児協力してやっている」ではなく、夫婦で育てる意識を持つ
あなたの旦那は「育児を手伝う男性は、えらい」と勘違いはしていませんか?
そもそも夫婦の子供なのに、男性だけが育児をするのを特別視されるのはおかしな話です。
旦那が「二人で子供を育てる」という意識を持てば、妻への配慮や子供への関わりも多くなります。
「育児を協力してやっている」という旦那の態度が気になる場合は、「夫婦二人で子育てをしていきたい」という思いを伝えるようにしましょう。
筆者も育児を協力するように心がけていましたが、子供を妻と一緒に育てるという気持ちが欠けていました。
夫婦お互いに感謝を伝える
夫婦生活が長くなると、当たり前のことが多くなり、感謝を伝える機会が少なくなります。
特に産後の夫婦は、気持ちのすれ違いは大きくなり、感謝よりも口論が多くなるものです。
しかし、ここで少し冷静になって、相手の長所に注目してみましょう。長所を見つけられると、感謝できることも自然と出てくるはず。
感謝を伝えるメリットは、
- 感謝を伝える側の気持ちがポジティブになる。
- 相手の攻撃的な態度や緊張を和らげる。
- 自分も感謝の言葉をもらいやすくなる。
などがあり、夫婦関係を良好にする効果が高いです。
産後クライシスを乗り越えたい場合、パートナーに対して言葉や手紙で直接感謝を伝えるようにするのがおすすめです。
夫の育児について、妻は注意しすぎない
「旦那は育児に協力的だけど、危なくて見ていられない」「要領が悪くて、口を出さずに入られない」と感じている子育て中のママはいないでしょうか?
子育て方法が気になる気持ちもわかりますが、あまり注意をしすぎるとやる気を失わせるだけでなく、妻への気持ちも冷めさせる原因になるので注意しましょう。
男性はプライドが高く、パートナーである女性に注意を受けるだけで「自分は無能な存在である」を言われている感覚になることがあります。
旦那が育児をしている時は、
- 子供の安全に関わること以外は、大目に見る。
- 育児や家事に失敗しても、批難しない。
- 旦那が求めなければ、必要以上に助言はしない。
- 旦那の育児に注意したとしても、協力してくれることに感謝を伝える。
などをするのがおすすめです。
夫の育児について必要以上に注意をしないと意識すると、産後クライシスから抜け出すきっかけを作ることができるでしょう。
産後クライシスから夫婦関係を改善した体験談
実は筆者も、産後クライシスを体験したことのある夫婦の一人です。
父親になったことで「これまで以上にお金を稼がなくてはいけない!」と思い込んで、副収入を得られる方法を必死に勉強している時期がありました。
この間、育児や家事に協力していなかったわけではありませんが、子供に対する関心が少なかったため、妻との関係が悪い雰囲気になることも・・・。
妻との気持ちのすれ違い大きくなり、お金を稼ぐための勉強にも結果が出ない。
「そもそも自分は何のために、頑張っているのか…」と振り返った時に、「家族と幸せに過ごす時間を増やすため」という結論に至りました。
そこからは、妻からお願いされなくても、子供と遊ぶ時間を作ったり、寝かしつけに挑戦したりなどするようになります。
自分の心構えが変われば、行動も変わり、行動が変われば、妻の反応も変わるもの。段々と笑顔の多い夫婦関係に戻ってきているのを実感しています。
産後クライシスは今後も起こる可能性はありますが、その度に自分の家族に対する思いを再認識して、家族の時間を充実させようと考えています。
まとめ~産後の夫婦仲は「一緒に子育てする」意識がポイント
産後クライシスで夫婦仲が最悪になる原因は、
の7つです。
産後クライシスになる原因に多いのが、妻の育児負担を理解できない旦那の態度です。
女性は男性と違い、産後はホルモンバランスが崩れたり、身体の回復が不十分だったりするため、情緒不安定になるのは自然なこと。
一方で男性は、そんな妻の変化を察する能力が低いのに加えて、働き盛りであるため、妻や子供のために時間を作るのが難しいこともあるでしょう。
そのため、どんなに仲良し夫婦であっても産後クライシスのなるリスクがあります。
産後クライシスになったとしても、産後クライシスの乗り越え方を実践すると効果的に夫婦関係を改善することができます。
この記事を参考にすると、産後クライシスを上手く乗り越えて、仲の良い夫婦関係を取り戻し、素敵な家族の時間を過ごす時間が増えるでしょう。
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